ベトナムで暮らしてみたいと考えたとき、最初に気になるのが毎月の生活費がいくらかかるのかというポイントです。
さらにベトナムでは通貨がベトナムドンで桁数も多いため、日本円との違いに戸惑いやすく生活費の感覚をつかみにくいと感じる人も少なくありません。
ここではベトナムの生活費をドンのままイメージできるようにしながら、日本円の感覚にも置き換えられるように整理していきます。
単身者から夫婦や家族までのモデルケースや都市別の相場も合わせて見ていき、ベトナムで暮らすときの毎月の予算を自分ごととして描けるようになることを目指します。
ベトナムの生活費をドンで把握するコツ7つ
まずはベトナムの生活費をざっくりつかむための基本的な考え方と、ドンで金額をイメージするためのコツを整理します。
ベトナムドンの単位の感覚
ベトナムドンはゼロの数が多く紙幣の種類も豊富なので、最初は金額の感覚がつかみにくく感じられます。
目安としては1円がおよそ170ドン前後で推移しており、10万ドンは数百円程度、100万ドンは数千円程度というイメージを持つと計算しやすくなります。
実生活では細かい為替レートよりも「10万ドンはワンコインランチぐらい」「100万ドンはちょっとした買い物」など自分なりの感覚を作ることが大切です。
桁数に戸惑う場合は高額紙幣だけに注目し、残りをざっくり切り捨てて考えるなど、日常で使いやすいルールを決めておくと支払いのストレスが減ります。
1カ月の生活費のざっくり目安
ベトナムの生活費は暮らす都市やライフスタイルによって大きく変わりますが、おおまかな目安を持っておくと予算を組みやすくなります。
ローカル寄りの生活か、日本とあまり変わらない生活スタイルを保つかによって必要な金額は数倍変わることもあります。
- ローカル寄りの単身生活の目安は約1000万〜1500万ドン
- バランスの良い単身生活の目安は約1500万〜2000万ドン
- 日本と近い暮らしを求める単身者は約2500万〜3000万ドン以上
これらは日本円にするとおおよそ6万円台から18万円前後になり、他のアジア都市と比べても比較的抑えやすい水準といえます。
ベトナムの生活費を日本円に置き換えるコツ
ベトナムの生活費を考えるときは、ドンの感覚を保ちつつ日本円に頭の中で素早く変換できると安心感が高まります。
細かくレートを計算するのではなく、簡単な暗算ルールを用意しておくと支出のイメージがしやすくなります。
- 金額からゼロを二つ取り除き、おおよそ六を掛けると円に近づく
- 100万ドンは約6000円、1000万ドンは約6万円という基準で覚える
- 毎月の予算をあらかじめドンと円の両方でメモしておく
こうした簡易ルールを日常的に繰り返すことで、ベトナムドンの数字を見た瞬間に大まかな円のイメージが湧くようになっていきます。
ライフスタイル別の生活費イメージ
同じベトナムでも、ローカル食堂中心の生活と、西洋料理や日本食レストランを頻繁に利用する生活では毎月の生活費が大きく変わります。
また住むエリアがホーチミンの中心部か、郊外や地方都市かでも家賃の水準はまったく違ってきます。
まずは自分がどの程度外食をしたいのか、日本のような設備の部屋に住みたいのか、どのくらいの頻度で旅行や趣味にお金を使いたいのかを整理してみることが重要です。
そのうえで、後ほど紹介するモデルケースと組み合わせて自分なりの生活費イメージを作ると、無理のない予算が見えてきます。
単身者の生活費モデル
ホーチミンやハノイで一人暮らしをする場合、家賃を含めたバランスの良い生活費の一例として月3000万ドン前後のモデルがよく紹介されています。
これはサービスアパートに住み、週に数回の外食や交際費を楽しみつつ、ある程度の貯金もできる水準のイメージです。
| 項目 | 目安の金額 |
|---|---|
| 家賃 | 1200万ドン |
| 食費 | 800万ドン |
| 水道光熱費 | 80万ドン |
| 通信費 | 20万ドン |
| 交通費 | 300万ドン |
| 交際費・雑費 | 600万ドン |
| 合計 | 3000万ドン |
食費や交際費をローカル寄りに抑えれば2500万ドン前後でも生活でき、逆に日本食レストランや高級レストランを多用すると3500万ドン以上かかることもあります。
夫婦やカップルの生活費モデル
夫婦やカップル二人暮らしの場合、同じ部屋に住むため家賃の負担は共有しやすい一方で食費や日用品の支出は増えます。
ローカルと日系スーパーをバランスよく使い、週に数回外食する生活スタイルなら、月2500万〜3500万ドン程度が一つの目安になります。
| 項目 | 目安の金額 |
|---|---|
| 家賃 | 1500万ドン |
| 食費 | 1200万ドン |
| 水道光熱費 | 100万ドン |
| 通信費 | 30万ドン |
| 交通費 | 300万ドン |
| 交際費・娯楽費 | 400万ドン |
| 合計 | 3500万ドン |
外食をローカル中心にすれば食費はもう少し抑えられる一方、ワインや輸入食材を多用すると日本と同等かそれ以上の食費になることもあります。
家族世帯の生活費モデル
子どもがいる家族世帯になると、インターナショナルスクールの学費や習い事など教育費が生活費の中で大きな割合を占めるようになります。
特にホーチミンやハノイの人気エリアでファミリー向けコンドミニアムに住む場合、家賃だけで月2000万〜3000万ドン以上になるケースも珍しくありません。
教育費を抑えるローカル寄りの選択をしても、家族全体の生活費は少なくとも月4000万〜6000万ドン程度、日本円にして十数万円から二十数万円は見ておきたいところです。
駐在の場合は家賃や学費の多くを会社が負担することもありますが、自費で移住する場合はこの部分の予算を慎重に試算しておく必要があります。
ベトナムの都市別生活費の目安
同じベトナムでも都市によって家賃や外食費の水準が違うため、どこに住むかで必要な生活費は変わってきます。
ホーチミンの生活費
ベトナム最大の商業都市ホーチミンは、外資系企業やショッピングモールが集まることもあり全国的に見ても物価が高めです。
中心地のコンドミニアムやサービスアパートに住むと家賃は月1000万〜2000万ドン以上になることが多く、日本食レストランやカフェをよく使うと生活費全体も上振れます。
| 項目 | ホーチミンの目安 |
|---|---|
| 単身向け家賃 | 1000万〜2000万ドン |
| 食費 | 800万〜1200万ドン |
| 水道光熱費 | 80万〜150万ドン |
| 交通費 | 200万〜400万ドン |
| その他 | 300万〜600万ドン |
一方で、ローカルエリアのアパートやシェアハウスを選び、ローカル食堂中心の生活にすれば同じホーチミンでもかなり出費を抑えることができます。
ハノイの生活費
首都ハノイは政治や教育機関が集まり、家賃相場はホーチミンと大きくは変わらないものの、外食に関してはやや安いと感じる人も多いです。
ローカル食堂での一食あたりの価格はホーチミンより少し低い傾向があり、麺料理などを日常的に利用することで食費を下げやすくなります。
湖の周辺や日本人が多いエリアは家賃が高くなる一方、中心部から少し離れた区では比較的リーズナブルなアパートも見つかります。
結果として単身者の生活費はホーチミンよりやや抑えやすいものの、日本食レストランや輸入食材を多用すると最終的な金額は大きな差にはなりにくいです。
ダナンの生活費
リゾート地として人気のダナンは、海沿いのエリアを中心に外国人向けのカフェやレストランが増えていますが、家賃や食費の平均はホーチミンやハノイよりも低めです。
ローカルアパートであれば単身者向けで月数百万ドン台から見つかることもあり、海と街の距離が近いコンパクトな暮らしが魅力です。
一方で日本語対応の医療機関や日系スーパーは大都市ほど多くないため、安心感や利便性を重視する場合は日本語が通じるサービスの有無も合わせて検討する必要があります。
観光シーズンによって短期賃貸の需要が変動するため、長期契約の条件や賃料の見直しタイミングは事前に確認しておくと安心です。
地方都市の生活費
ハイズオンやカントーなど地方都市では、家賃や外食費はさらに抑えられることが多く、同じ予算でもゆとりある生活がしやすくなります。
ただし日本人コミュニティや日本語対応サービスが少なく、生活の情報収集やトラブル対応を自力で行う力が求められます。
- 家賃はローカルアパートなら月数百万ドン台が多い
- 食費はローカル食堂中心なら単身者で月数百万ドン程度に抑えやすい
- 娯楽やショッピングの選択肢は大都市ほど多くない
- 日本語対応の医療機関や学校は限られる
コスト重視で長期滞在したい人には魅力的な選択肢ですが、生活のしやすさとのバランスをよく考えたうえで決めることが大切です。
ベトナムでの家計項目ごとの相場感
次にベトナムで暮らすうえで欠かせない家計項目ごとに、どのくらいの金額を想定しておくと良いかを整理していきます。
家賃の相場
家賃は生活費の中でもっとも大きな割合を占めるため、エリアと住居タイプのバランスを考えて決めることが重要です。
一般的にはローカルアパート、サービスアパート、コンドミニアムの順に家賃が高くなる傾向があります。
| 住居タイプ | 単身の目安 |
|---|---|
| ローカルアパート | 500万〜800万ドン |
| サービスアパート | 1000万〜1500万ドン |
| コンドミニアム | 1500万〜2500万ドン |
| ファミリー向け | 2000万〜3000万ドン以上 |
家賃に水道光熱費や掃除サービスが含まれているかどうかで実質負担が変わるので、契約前に必ず内訳を確認しておきましょう。
食費の相場
食費はローカル食堂を中心にするか、日本食や西洋料理をどの程度利用するかで大きく変動します。
ローカル食堂の麺料理や定食は一食数万ドン程度で、日本と比べてもかなり抑えやすい水準です。
一方で輸入食材や日本食レストランを頻繁に利用すると、日本とあまり変わらないかそれ以上の食費になることもあります。
単身者ならローカル寄りであれば月数百万ドン台、外食多めでも1000万ドン前後を目安にしやすく、二人暮らしならその一・五倍から二倍程度を見込んでおくと安心です。
光熱費と通信費
電気代・水道代・ガス代・インターネット・携帯電話といったインフラ関連の費用は、日本と比べるとやや安い水準に収まることが多いです。
特にインターネットと携帯のデータ通信は、十分な速度でありながら比較的低価格で利用できます。
- 電気代はエアコン利用が多い月で単身者なら50万〜150万ドン程度
- 水道代は多くの家庭で月10万〜20万ドン前後
- 家庭用インターネットは月20万〜35万ドン程度が一般的
- プリペイド式の携帯データプランは月10万〜20万ドン程度
ただしエアコンの使い方や家族人数によって電気代は大きく変わるため、初月は少し余裕を持った予算を組んでおくと安心です。
交通費と日用品
都市部ではバイクタクシーや配車アプリが普及しており、短距離の移動を安価に済ませることができます。
日用品や消耗品はローカルスーパーと日系スーパーを使い分けることで、支出をコントロールしやすくなります。
| 項目 | 単身の月額イメージ |
|---|---|
| 交通費 | 200万〜300万ドン |
| 日用品 | 200万〜400万ドン |
| カフェ・軽い外食 | 200万〜400万ドン |
| 趣味・娯楽 | 200万〜500万ドン |
自分でバイクを所有する場合はガソリン代やメンテナンス費用がかかる一方で、一回あたりの移動コストはさらに下げられます。
医療費と保険
ベトナムでは公立病院と私立病院で料金やサービスが大きく異なり、日本語対応のあるクリニックや国際病院は総じて高めの価格帯になります。
日常的な風邪や軽いケガの診療費は日本と同等かやや安い程度ですが、検査や入院になるとまとまった金額が必要になることもあります。
長期滞在を考える場合は、海外旅行保険や現地の医療保険に加入し、高額医療への備えをしておくと安心です。
特に家族帯同で移住する場合は、子どもの急な発熱や事故に備えて、日本語で相談できる医療機関と費用感を事前に調べておきましょう。
ベトナムで生活費を節約する実践アイデア
次に、ベトナムで無理なく生活費を抑えるために実践しやすいアイデアをいくつか紹介します。
買い物ルール
日々の買い物の仕方を工夫するだけでも、年間を通してみると大きな節約につながります。
ローカルスーパーと日系スーパー、市場をうまく使い分けることがポイントです。
- 生鮮食品はローカル市場やローカルスーパーで購入する
- 輸入品や日本食材はプロモーションを狙ってまとめ買いする
- 値札のない市場では相場を知ってから交渉する
- 日用品は大容量パックを選び単価を下げる
こうした習慣を身につけると、食費や日用品の支出を抑えつつ、満足度の高い食生活を送りやすくなります。
外食との付き合い方
ベトナムは外食文化が発達しており、ローカル食堂からおしゃれなカフェ、日本食レストランまで選択肢が豊富です。
外食を上手に取り入れることで時間の節約にもなりますが、頻度とお店のグレードを決めておかないと生活費が膨らみがちです。
| 外食スタイル | 月の食費イメージ |
|---|---|
| ローカル中心 | 単身で500万〜800万ドン |
| ローカルと日系のミックス | 単身で800万〜1200万ドン |
| 日本食・高級店が多い | 単身で1200万ドン以上 |
平日はローカル寄り、週末は少し良いお店に行くなど、自分なりのルールを決めておくとメリハリのある食生活を送りやすくなります。
家探しの工夫
住まい選びで少し工夫をするだけでも、年間の家賃負担は大きく変わります。
家賃の安さだけでなく、通勤時間や周辺環境を含めて総合的に判断することが重要です。
- 中心部から一駅離れたエリアも候補に入れる
- 家賃に含まれるサービスの内容を細かく確認する
- 家具付き物件を選び初期費用を抑える
- 長期契約割引や家賃交渉の余地があるか聞いてみる
複数の物件を見比べて、トータルの生活費がどのくらい変わるのかをイメージしながら決めると後悔しにくくなります。
送金と為替の工夫
日本円からベトナムドンへの送金方法や、給与の通貨建てによっても実質的な生活費は変わります。
為替レートの変動を把握しつつ、手数料の安い方法を選ぶことが大切です。
| ポイント | 意識したい内容 |
|---|---|
| 送金手数料 | 銀行とオンラインサービスを比較する |
| レートの確認 | 大きな送金はレートが良いタイミングを狙う |
| 通貨建て | 給与がドル建てかドン建てかを確認する |
| 生活費口座 | 現地通貨口座を活用し両替回数を減らす |
特に長期滞在の場合は、一度自分の送金フローと手数料を整理し、どの方法が総コストを抑えられるかを検討してみる価値があります。
ベトナムで生活費を考えるときの注意点
最後に、ベトナムで生活費を考えるうえで知っておきたいリスクや注意点を確認しておきます。
インフレの影響
ベトナムは経済成長が続いている一方で、物価上昇の影響を受けることもあります。
特に家賃や外食費、輸入品の価格は数年単位で見るとじわじわ上昇する傾向があるため、長期滞在を考える場合は将来の値上がりも織り込んでおく必要があります。
給与の見直しや家賃の更新条件など、インフレとともに変わる可能性がある項目については事前に契約内容をチェックしておきましょう。
生活の中で「最近少し高くなってきた」と感じる項目は、家計簿やメモで見える化しておくと対策を取りやすくなります。
契約条件の確認
家賃契約や携帯電話、インターネットなどの契約条件は、日本と比べると口頭で済まされる部分もあり、後から認識のズレが生まれることがあります。
生活費に関わる契約ごとは、できるだけ書面やメールで条件を残し、不明点はあいまいにせず確認しておくことが大切です。
- 家賃に含まれる費用と別途支払う費用を明確にする
- デポジットの返金条件と退去時の原状回復範囲を確認する
- 契約期間と途中解約のペナルティの有無を把握する
- 共有設備の利用ルールや追加料金の有無を聞いておく
小さな認識違いが数十万ドン単位の追加支出につながることもあるため、生活費の観点からも契約条件の確認は欠かせません。
医療と保険の備え
急な病気やケガは予算を大きく超える支出につながる可能性があり、特に子どもがいる家庭では医療費の備えが重要です。
日本語対応のある国際病院や日系クリニックは安心感がある一方で、診療費はローカルの医療機関より高めに設定されています。
| ポイント | 意識したい内容 |
|---|---|
| 医療機関の選択 | 日常用と緊急用の病院を事前に決めておく |
| 保険内容 | 外来・入院・救急搬送の補償範囲を確認する |
| 支払い方法 | キャッシュレス対応か立て替えかを把握する |
| 日本への搬送 | 重症時の本国搬送費用の補償有無を確認する |
保険に加入していても、どの医療機関でどのように使えるのかを把握していないと、とっさのときに余計な出費や手間につながりかねません。
教育費と子育て費用
家族帯同での移住を考える場合、教育費や子育て費用は生活費の中で大きなウェイトを占める可能性があります。
特にインターナショナルスクールは年間で数十万円から数百万円単位の学費が必要になることもあり、家計へのインパクトは小さくありません。
- ローカル校とインターナショナルスクールの学費差を把握する
- スクールバスや給食費、教材費などの追加費用を確認する
- 習い事や塾など、周辺費用の相場も調べておく
- 将来の帰国時期や進学ルートを含めて長期的に検討する
教育費は一度決めると引き返しにくい項目なので、ベトナムでの生活費全体とのバランスをよく考えて選ぶことが重要です。
トラブルを避けるための視点
ベトナムの生活費は日本より抑えやすい一方で、慣れない環境では思わぬトラブルが余計な出費につながることがあります。
契約書の読み違いや規約を知らずにルール違反をしてしまうと、罰金や追加費用が発生するケースもあります。
お金に関わる話は遠慮せずに事前に確認する、領収書や明細はできるだけ保管する、といった基本的な習慣を身につけておくと安心です。
現地で信頼できる人やコミュニティを見つけ、生活費に関する疑問や不安は早めに相談できる環境を作ることも、トラブルを防ぐ大きな助けになります。
ベトナムの生活費とドンの感覚を身につけて安心して暮らす
ベトナムの生活費は、日本よりも抑えやすい部分と、日本と同程度かそれ以上にかかる部分が混在しているのが実情です。
ベトナムドンの感覚や都市ごとの相場、家計項目ごとの目安を押さえておけば、単身者から家族世帯まで自分に合った生活水準を選びやすくなります。
また節約の工夫や契約・医療・教育に関する注意点を事前に知っておくことで、予想外の出費を減らしつつベトナムならではの豊かな暮らしを楽しめます。
毎月の予算をドンと日本円の両方で把握し、自分のライフスタイルに合わせた生活費のバランスを少しずつ調整していきましょう。

