初めてベトナムを訪れると、多くの人が「こんな日常があるんだ」と文化の違いに驚きながらも、どこか懐かしい温かさを感じます。
ベトナムの面白い文化は、観光地だけでなく、路上のカフェや家族の団らん、仕事のスタイルなど、生活のあらゆる場面に息づいています。
この記事では、旅行者や将来の移住を考える人が戸惑わずに楽しめるように、ベトナムの面白い文化や習慣を具体的なシーン別にわかりやすく紹介します。
「ベトナムの面白い文化」というキーワードから連想される素朴な疑問に答えながら、現地の人へのリスペクトを大切にした楽しみ方のヒントもお伝えします。
ベトナムの面白い文化を日常から知る7つの切り口
このセクションでは、ベトナムの面白い文化が最もよく現れる日常のシーンを七つに分けて紹介し、旅先での「なるほど」を増やすための視点を整理します。
路上カフェに広がるコーヒーの時間
ベトナムの都市を歩くと、歩道に小さなプラスチック椅子とテーブルを並べた路上カフェが無数にあることに気づきます。
出勤前や仕事の合間、夜の涼しい時間など、一日に何度もカフェに立ち寄り、濃いコーヒーやお茶を片手におしゃべりを楽しむのが一般的な光景です。
ホーチミンや南部ではハンモックカフェのように、ゆられながら昼寝もできるスタイルもあり、時間に追われすぎない独特の余裕を感じさせます。
観光客もローカルカフェに混ざって一杯のカフェ・スア・ダーを味わうことで、ベトナムの面白い文化を肌で感じられます。
バイクが埋め尽くす通勤ラッシュ
ベトナムの面白い文化を象徴する光景として真っ先に挙げられるのが、通勤ラッシュ時のバイクの大群です。
道路一面を埋め尽くすほどのバイクが一斉に動く様子は圧巻で、初めて見るとまるで映画のワンシーンのように感じます。
四輪車に高い税金がかかることもあり、通勤や買い物、子どもの送り迎えなど、日常のほとんどをバイク一台でこなすライフスタイルが定着しています。
横断歩道を渡るときは、車の流れが完全に止まるのを待つのではなく、速度を変えずにゆっくり歩くと周囲のバイクが自然と避けてくれるという暗黙のルールも特徴的です。
フルーツ天国の屋台スイーツ
一年中温暖な気候に恵まれたベトナムでは、市場や路上の屋台に色とりどりのフルーツが山のように並びます。
カットフルーツにコンデンスミルクやヨーグルトをかけたスイーツ、アボカドや豆を使ったぜんざい風デザートなど、日本ではあまり見かけない組み合わせも多くあります。
夜になると若者たちがプラスチック椅子に腰掛け、フルーツスイーツやチェーを食べながら友人と語り合う姿が街のあちこちで見られます。
旅の途中で気軽に立ち寄れる屋台スイーツは、ベトナムの面白い文化と甘い幸せを同時に味わえるおすすめの体験です。
床に座る団らんの食卓
ベトナムの家庭やローカルな飲食店では、椅子とテーブルだけでなく、床に座って食事を囲むスタイルも根強く残っています。
低いテーブルやござを囲んで、家族や友人が輪になり、一品ずつ取り分けながら食べる時間は、距離がぐっと縮まるひとときです。
日本のちゃぶ台文化にも通じるような「同じ目線で向き合う」感覚があり、お互いの顔を見ながら笑い声が絶えない食卓になります。
旅行者がホームステイやローカルツアーでこのスタイルを体験すると、単に料理を味わうだけでなく、人とのつながりを実感できるでしょう。
昼寝を愛するシエスタ習慣
暑い国だからこそ、ベトナムには昼休みにしっかり休むシエスタのような文化があります。
オフィスや学校でも昼休みの時間には机に突っ伏して寝たり、椅子を並べて横になったりと、それぞれの方法で短い睡眠を取ります。
地方の道路沿いにはハンモックカフェがあり、バイクで長距離移動をする人たちがハンモックで揺られながら涼しい風を感じ、コーヒーを飲みつつ体力を回復させます。
「しっかり昼寝して午後の生産性を上げる」という考え方は、忙しさを誇るのではなく効率的に働くための知恵として根付いています。
大家族が集うにぎやかな暮らし
ベトナムの面白い文化の一つに、親せき同士の距離が近く、大家族で集まることが多い暮らし方があります。
週末や祝日になると祖父母の家に親族が集まり、大人数で食事をしたり、子どもたちが家の中や路地で元気に遊んだりする光景がよく見られます。
大人たちは料理を手分けして作り、若者や子どもも手伝いながら、世代を超えた会話が自然と生まれます。
旅行者として招かれた場合も、家族の輪の中に温かく迎え入れられることが多く、人とのつながりが旅のいちばんの思い出になるかもしれません。
テトに合わせた一年のスケジュール
ベトナムの旧正月であるテトは、一年で最も重要な休日であり、人々の生活リズムを大きく左右する行事です。
テト前になると街じゅうが買い物客であふれ、家族へのお土産や新しい服、特別な料理の材料を買い込む光景が広がります。
企業や学校もテトに合わせて長期休暇を取り、多くの人が故郷へ帰省して親族と過ごします。
旅行者もテトの時期に訪れる場合は、店が閉まる日程や交通機関の混雑を理解しておくと、ベトナムの面白い文化をより深く楽しめます。
ベトナムの食文化に息づく暮らしの知恵
ここでは、ベトナムならではの食文化に焦点を当て、日本との違いを踏まえながら、旅先で戸惑わず楽しむためのポイントを整理します。
主食が二本立ての食卓スタイル
ベトナムでは、フォーやブンなどの麺料理も白いご飯もどちらも主役であり、その日の気分や時間帯によって柔軟に選ばれます。
朝から麺料理を食べ、昼はご飯もの、夜はまた麺料理というように、一日を通して主食のバリエーションを楽しむスタイルが一般的です。
日本のように「朝はパンかご飯」という固定観念があまりないため、旅行者にとっても毎回違う料理に挑戦できるワクワク感があります。
この柔軟な食卓スタイルは、屋台や食堂の豊富さとも相まって、旅の食体験をより豊かにしてくれます。
屋台料理を味わうときのコツ
ベトナムの屋台は安くておいしいグルメの宝庫ですが、初めてだと注文の仕方や衛生面が気になる人も多いかもしれません。
基本的には、地元の人でにぎわっている屋台を選ぶことが、安全かつおいしい店選びの目安になります。
注文は指さしでも十分に通じますが、簡単なベトナム語の単語や数字を覚えていくと、やりとり自体が楽しい思い出になります。
- 人が途切れない屋台を選ぶ
- 食材の回転が良さそうな店を意識する
- 辛さや香草は事前に控えめと伝える
- 財布やスマホはテーブルに置きっぱなしにしない
食事マナーの違い早見表
ベトナムの食事マナーは日本と似ている点もあれば、少し違う点もあり、事前に知っておくと戸惑いを減らせます。
たとえば、取り皿を使わず大皿から直接自分の茶碗に取ったり、料理を残さずきれいに食べ切ることが礼儀とされる場面もあります。
ここでは、代表的なポイントを日本との比較で整理します。
| 項目 | ベトナムでの一般的なスタイル |
|---|---|
| 座り方 | 椅子席と床座りが混在することがある |
| 取り分け方 | 大皿から各自の茶碗や皿に直接よそう |
| 食べ終わり | 料理をできるだけ残さず食べ切るのが好印象 |
| 支払い | 友人同士では代表者がまとめて払うことも多い |
調味料に表れる味の好み
ベトナム料理は香草たっぷりで辛いイメージを持たれがちですが、実際には甘みや酸味を大切にしたバランスの良い味付けが多いです。
テーブルの上には、ヌックマムやチリソース、ライム、砂糖などの調味料が並び、客が自分好みに味を調整するスタイルが一般的です。
最初から強い香草が苦手な人は「香草少なめ」をお願いしたり、ライムを絞って酸味を足すことでさっぱりと食べられます。
同じ料理でも店ごとに味が違うため、食べ比べを楽しむこと自体がベトナムの面白い文化の一つと言えるでしょう。
ベトナムの対人マナーに表れる価値観
このセクションでは、あいさつや感情表現、お金の扱いなど、人間関係に関わるマナーから見えるベトナム人の価値観を紹介します。
あいさつに込められた敬意
ベトナムでは、年上の人や目上の人に対して敬意を払う姿勢が日常のあいさつに強く表れます。
親族や職場では、年齢や立場に応じて呼び方を変え、敬称を使い分けることが礼儀とされています。
旅行者でも、笑顔で軽く会釈したり「シンチャオ」と一言添えるだけで、相手との距離がぐっと近づきます。
言葉が通じなくても、落ち着いたトーンで話し、相手に恥をかかせないように配慮する姿勢が大切です。
公の場で意識したい振る舞い
ベトナムでは、人前で大声で怒鳴ったり、感情的に相手を責め立てたりすることは好ましくないとされています。
トラブルが起きたときも、できるだけ穏やかに話し合い、周囲に不快な印象を与えないことが重視されます。
旅行者が気をつけたいポイントを簡単に整理しておきましょう。
- 公共の場で大声で怒らない
- 相手を人前で強く非難しない
- スキンシップは控えめにする
- 宗教施設では露出を控え静かに過ごす
チップ文化にまつわるお金の感覚
ベトナムには必ずしも厳格なチップ文化はありませんが、観光地やサービス業では心づけとして少額を渡す場面もあります。
高級レストランやスパなどではサービス料が料金に含まれている場合も多く、必ずしも追加のチップが必要というわけではありません。
一方、結婚式では招待された側がご祝儀を包む文化があり、日本と比べると金額の相場が大きく異なります。
代表的な場面を日本と比較しながら整理すると、金額のイメージがつかみやすくなります。
| シーン | ベトナムでの一般的な金額イメージ |
|---|---|
| カジュアルなレストラン | 基本的に不要で、おつりを少しだけ置くこともある |
| マッサージやスパ | 満足した場合に数万ドン程度を渡すことがある |
| 結婚式のご祝儀 | 友人や同僚で約50万ドン前後が一つの目安 |
年長者を大切にする家族観
ベトナムでは儒教の影響もあり、年長者を敬い、大切にする価値観が強く残っています。
家族で食事をするときも、料理を先に取るのは年長者であり、若い世代は後から続く形が自然なマナーです。
祖父母と同居したり、結婚後も両親の近くに住んで頻繁に顔を出すことが多く、世代間のつながりが濃いのが特徴です。
旅行者としても、年配の方に席を譲ったり、丁寧な態度で接することで、ベトナムの面白い文化をより温かく感じられます。
ベトナムの働き方に見る生活リズム
続いて、職場や学校などの「働き・学び」の場に焦点を当て、ベトナムならではの生活リズムや価値観を見ていきます。
若い労働人口がつくる職場の空気
ベトナムは平均年齢が若い国であり、職場にもエネルギッシュな雰囲気があります。
同僚同士がフレンドリーに冗談を言い合ったり、仕事終わりに一緒に食事に行くことも多く、上下関係がありながらも距離感は比較的近い印象です。
外国人が一緒に働く場合も、オープンに質問したり、感謝の言葉をこまめに伝えることで、信頼関係が築きやすくなります。
仕事とプライベートを完全に切り分けるのではなく、同僚との人間関係を大切にするスタイルが特徴です。
時間感覚にゆとりがある働き方
ベトナムでは、場面によっては時間に対して比較的おおらかな感覚が見られることがあります。
会議の開始時間が少し遅れたり、約束の時間に数分から十数分程度の遅れが生じることも珍しくありません。
もちろん仕事の締め切りや重要な打ち合わせでは時間を守ることが求められますが、全体としては日本よりもゆったりしたリズムを感じる人が多いでしょう。
大まかな傾向を簡単な表にまとめると、雰囲気がつかみやすくなります。
| 場面 | 時間に対する一般的な感覚 |
|---|---|
| 日常の待ち合わせ | 数分程度の遅れはあまり気にされない |
| 社内会議 | 参加者がそろうまで柔軟に開始されることがある |
| 対外的な商談 | 時間厳守が意識されやすい重要な場面 |
学校生活に見られる学びのスタイル
ベトナムの学校では、日本と同様に基礎学力を重視しながらも、クラスメイト同士のつながりを大切にする雰囲気があります。
放課後には塾や習い事に通う生徒も多く、将来の進学やキャリアを見据えて勉強に励む姿が見られます。
一方で、友人たちとカフェで宿題をしたり、公園で集まって勉強するなど、学びの場が教室だけに限られないのも特徴です。
- クラスメイトとの結束が強い
- 放課後も友人と一緒に勉強することが多い
- カフェや屋外で勉強するスタイルも一般的
- 家族が教育費を優先して支えるケースが多い
女性が活躍しやすい社会環境
ベトナムでは女性の社会進出が進んでおり、ビジネスの現場でも多くの女性がリーダーや管理職として活躍しています。
市場や路上カフェ、オフィスでも、働きながら家庭を支える女性たちの姿が目立ちます。
共働き世帯が一般的であることから、祖父母が孫の面倒を見たり、家族全体で家事や子育てを分担することも多いです。
このような背景も、ベトナムの面白い文化としての「家族ぐるみの支え合い」を生み出していると言えるでしょう。
ベトナムの行事文化に受け継がれる世界観
最後に、テトをはじめとする年中行事や宗教観に目を向けることで、ベトナムの面白い文化の奥行きを感じてみましょう。
テト休暇の過ごし方
テトの時期になると、街には赤や金色の装飾があふれ、縁起物の木や花が売られる市場が活気づきます。
人々は仕事を休み、故郷に戻って祖先にお祈りをささげたり、親族と食事を共にしたりして一年の幸せを願います。
新年の初日にどこへ行くか、誰を最初に家に迎えるかなど、縁起を担ぐ細やかな習慣も多く存在します。
- 祖先へのお供えを準備する
- 家族で特別な料理を囲む
- 新しい服を身につけて新年を迎える
- 親せきの家を順番に訪ねる
結婚式にまつわるご祝儀のしきたり
ベトナムの結婚式は、親族や友人が大勢集まるにぎやかな宴であり、日本と同じくご祝儀を包む習慣があります。
ただし、日本に比べるとご祝儀の金額は抑えめで、友人や同僚として参加する場合は数十万ドン程度が一つの目安とされています。
招待状の封筒や専用の封筒にお金を入れ、会場の入口付近に設置されたボックスに入れるスタイルが一般的です。
日本との違いを簡単な表にまとめると、文化のギャップがイメージしやすくなります。
| 項目 | ベトナムの結婚式の一般的なスタイル |
|---|---|
| ご祝儀の相場 | 友人や同僚でおおよそ50万ドン前後が目安 |
| 封筒 | 招待状の封筒やシンプルな封筒を使う |
| 渡し方 | 受付や専用ボックスに投函する |
| 雰囲気 | 形式よりもにぎやかさと交流を重視する |
町なかに溶け込む寺院の存在感
ベトナムの都市や地方都市を歩いていると、住宅街の中や市場の近くに、小さな寺院や祠が自然に溶け込んでいるのを目にします。
人々は出勤前や買い物のついでに立ち寄り、線香をあげて家族の健康や仕事の成功を祈ります。
仏教や道教、民間信仰などが混ざり合った独特の宗教観は、暮らしのリズムと密接に結びついています。
旅行者が参拝するときは、露出の少ない服装で静かに過ごし、写真撮影の可否を確認するなど、敬意を持ったふるまいを心がけましょう。
ベトナムの面白い文化を楽しむための心構え
ベトナムの面白い文化は、一見すると日本人からは不思議に見えることもありますが、その多くは「家族や仲間を大切にしたい」「暑い気候を前向きに乗り切りたい」といったポジティブな背景から生まれています。
旅行者や将来の移住者にとって大切なのは、自国の常識と比較して優劣をつけるのではなく、「なぜそうなっているのか」を想像しながら受け止める姿勢です。
路上カフェでコーヒーを飲む時間や、大家族が集まるにぎやかな食卓、テトの準備に追われる市場の熱気など、一つひとつの体験を楽しむことで、ガイドブックには載らないベトナムの魅力が見えてきます。
ベトナムの面白い文化に触れる旅は、同時に自分自身の価値観や日常を見つめ直すきっかけにもなり、帰国後の暮らしにも新しい視点を与えてくれるでしょう。

