ベトナムから日本にお金を送りたいとき、どの方法が一番お得で安全なのか迷ってしまいます。
現地の銀行や国際送金サービス、現金を持ち帰る方法など、選択肢が多いほど手数料やルールも複雑になります。
この記事では、ベトナムから日本に送金する代表的な方法を整理し、費用や必要書類、法律上の注意点まで順番に整理していきます。
会社からの給与を日本に移したい駐在員や、家族へ仕送りをしたいベトナム人、長期滞在を終えて資金を日本へ戻したい人のケースも想定して解説します。
ベトナムから日本に送金する5つの方法
このセクションでは、ベトナムから日本に送金するときに検討したい代表的な5つの方法を取り上げ、それぞれの特徴やメリット、注意点を整理します。
ベトナムの銀行から日本の銀行へ送金
最もオーソドックスなのが、ベトナムの商業銀行から日本の銀行口座へ国際送金する方法です。
VietcombankやBIDVなど主要銀行の窓口やインターネットバンキングから、日本側の銀行名や支店名、口座番号、SWIFTコードを指定して送金します。
送金手数料に加えて中継銀行の手数料や為替スプレッドがかかるため、総コストは「手数料+レート差」で見ることが大切です。
着金までの目安は数営業日で、名義や口座番号に誤りがあると組戻しになり、さらに時間と費用がかかるリスクがあります。
| 方法名 | ベトナムの銀行から日本の銀行へ国際送金 |
|---|---|
| 主な特徴 | 銀行同士のSWIFT送金で信頼性が高い |
| 送金スピードの目安 | 約2〜5営業日 |
| 手数料の目安 | 送金手数料+中継銀行手数料+為替レート差 |
| 向いているケース | 給与や退職金などまとまった金額を正式な名目で送るとき |
帰国時に現金を持ち帰る
ある程度の期間ベトナムで働いたあとに一括で日本へ戻る場合、現金を持ち帰って日本の銀行に入金する選択肢もあります。
この方法では送金手数料はかかりませんが、空港での紛失や盗難リスク、そして各国の外貨持ち出し規制に注意が必要です。
ベトナム出入国時に一定額以上の外貨を持ち出す場合は税関申告と金融機関の証明書が必要になり、日本入国時も高額の場合は申告義務があります。
安全性や申告の手間を考えると、持ち帰る現金は生活費の一部など無理のない範囲にとどめるのが無難です。
| 方法名 | 帰国時に現金を持ち帰る |
|---|---|
| 主な特徴 | 銀行送金手数料がかからないがリスクが高い |
| 送金スピードの目安 | 日本到着後すぐに入金可能 |
| 手数料の目安 | 実質ゼロ(両替手数料のみ) |
| 向いているケース | 一時帰国で生活費を持ち帰るときや少額の資金移動 |
Western Union
Western Unionは世界中に拠点を持つ国際送金サービスで、ベトナムの取扱店から日本の受取拠点や日本の銀行口座へ送金できます。
ベトナム側では現金または銀行口座から送金手続きを行い、日本側ではWestern Unionの取扱店で現金受取か、銀行口座への入金を選べます。
少額なら着金が早く、口座情報を知らない相手にも送れる一方で、レートや手数料は銀行や他サービスと比較する必要があります。
頻繁に利用する場合は、オンラインアカウントやアプリを作成しておくと履歴管理や再送金がしやすくなります。
| 方法名 | Western Union |
|---|---|
| 主な特徴 | 全世界に拠点を持つ国際送金ネットワーク |
| 送金スピードの目安 | 最短で当日〜数営業日 |
| 手数料の目安 | 金額や受取方法に応じて段階制の送金手数料 |
| 向いているケース | 相手の口座情報が分からない場合や現金受取を希望するとき |
日本の銀行口座への送金に対応した専門送金サービス
現地の銀行と提携し、日本の銀行口座宛ての送金を専門に扱うサービスも増えています。
これらのサービスは、銀行送金よりも分かりやすい手数料体系やオンラインで完結する申し込みフローを用意していることが多いです。
手数料や為替レートはサービスごとに違うため、自分が使うベトナムの銀行や日本の受取銀行との相性も含めて比較する必要があります。
日本語サポートの有無や、サポート窓口の対応時間も実務上の使い勝手を左右するポイントです。
| 方法名 | 日本の銀行口座への送金に対応した専門送金サービス |
|---|---|
| 主な特徴 | オンライン完結型で手数料体系が比較的シンプル |
| 送金スピードの目安 | 概ね1〜3営業日 |
| 手数料の目安 | 一定額の送金手数料+為替レート差 |
| 向いているケース | 定期的な仕送りや、同じ口座への繰り返し送金 |
Wiseを利用した送金
Wiseは実勢レートに近い為替レートと明示的な手数料で知られるオンライン送金サービスです。
ベトナムから日本へは、現状ベトナムドン直接ではなく、米ドル建ての国際送金をWiseに行い、そこから日本円として受取口座へ送る形が前提になるケースがあります。
レート面で有利になることが多い一方で、送金フローが銀行送金と組み合わさるため、事前に対応可否や手続きの手順を確認しておくことが重要です。
日本側の受取は通常の銀行振込と同様の扱いになるため、着金後の利用はスムーズです。
| 方法名 | Wiseを経由したオンライン送金 |
|---|---|
| 主な特徴 | 実勢レートに近い為替レートと明示的な手数料 |
| 送金スピードの目安 | 概ね1〜3営業日 |
| 手数料の目安 | 送金額と通貨ペアに応じて変動するサービス手数料 |
| 向いているケース | レートを重視したい中〜高額の送金や定期的な送金 |
ベトナムから日本への送金コストの基本
ここでは、どの方法を選んだとしても共通して関わってくる「送金コスト」の内訳と、その仕組みを整理します。
為替レートの仕組み
ベトナムから日本に送金するとき、多くの場合はベトナムドンから米ドルや日本円に両替されます。
銀行や送金サービスが提示する為替レートには、インターバンクレートに対する上乗せ分が含まれており、これが実質的なコストの一部になります。
同じタイミングでもサービスごとにレート差が出るため、送金前に複数のレートを比較すると総コストを抑えやすくなります。
送金額が大きくなるほどレート差の影響も大きくなるので、レートは「小さな数字の違い」に見えても侮れません。
ベトナム側の手数料
ベトナム側の銀行から日本へ送金する際には、送金手数料や中継銀行手数料がかかります。
窓口やインターネットバンキング、送金サービスなど、チャネルによって手数料が変わる場合もあります。
送金金額とは別に固定額でかかるものと、金額に対するパーセンテージでかかるものがあるため、事前に仕組みを確認しておきたいところです。
代表的なコストの構成をイメージしやすいように、一般的な例を一覧にまとめます。
| コスト項目 | 内容の例 |
|---|---|
| 送金手数料 | 銀行や送金サービスに支払う基本手数料 |
| 中継銀行手数料 | 海外の中継銀行が差し引く手数料 |
| 受取銀行手数料 | 日本側の銀行が受取時に差し引く手数料 |
| 為替レート差 | 実勢レートと適用レートの差額に相当するコスト |
日本側の受取手数料
日本の銀行口座で海外からの送金を受け取るとき、銀行によっては被仕向送金手数料がかかります。
一部の銀行では「海外からの送金1件あたりいくら」という固定額で設定されており、送金額に関係なく発生します。
ゆうちょ銀行など、海外送金の受取に対応する銀行では、窓口で本人確認書類やマイナンバーの提示を求められる場合があります。
高額の送金を繰り返すと、税務署から資金の性質について問い合わせが来ることもあるため、説明可能な形で記録を残しておくと安心です。
隠れコストを抑えるポイント
送金にかかるコストは手数料だけではなく、時間やリスクも含めて考える必要があります。
手数料を安く抑えたのに着金まで時間がかかりすぎると、支払い期限に間に合わないなど別のコストが発生する可能性があります。
総合的な負担を軽くするために意識したいポイントを整理します。
- 複数の銀行やサービスで為替レートと手数料を比較する
- 送金目的に合ったサービス(学費・生活費など)を選ぶ
- 一度に大きな金額を送りすぎず、ルールの範囲内で分割を検討する
- 着金までの目安日数に余裕を持って手続きする
- 送金履歴や書類を保管しておき、税務・法令対応に備える
ベトナムから日本へ送金するときの手続き
ここでは、実際にベトナムから日本へ送金するときにどのような書類や手順が必要になるのかをイメージしやすいようにまとめます。
ベトナムの銀行で求められる主な書類
ベトナムの銀行から海外送金を行う場合、個人の場合でも送金の目的や金額によって複数の書類の提示が求められます。
長期滞在の就労者であれば、労働許可証や就労契約書、給与明細などが必要になるケースが一般的です。
仕送りや学費の支払いなどを目的とする場合、家族関係を証明する書類や学校からの請求書などを合わせて求められることがあります。
窓口に行く前に、利用する銀行のウェブサイトやコールセンターで必要書類を確認しておくと、二度手間を減らせます。
| 書類の種類 | 代表的な例 |
|---|---|
| 本人確認書類 | パスポートやベトナムの在留カードなど |
| 滞在・就労関連 | 労働許可証や就労契約書、一時滞在カードなど |
| 収入証明 | 給与明細や雇用主が発行した証明書 |
| 送金目的の証明 | 学費請求書や医療費請求書、家族関係証明書など |
日本側で準備しておきたい情報
日本側の受取人が銀行口座で受け取る場合、送金元に伝えるべき情報を事前に整理しておくことが大切です。
銀行名や支店名、口座番号だけでなく、SWIFTコードや支店住所を求められるケースもあります。
名義の表記はパスポートや銀行口座のローマ字表記と揃える必要があり、スペルミスがあると着金遅延や組戻しの原因になります。
連絡先電話番号や住所も申込書に記載することが多いため、最新の情報を把握しておきましょう。
- 銀行名・支店名・支店住所
- 口座番号と名義のローマ字表記
- SWIFTコードや銀行コード
- 受取人の住所と電話番号
- 必要に応じてマイナンバー情報
送金の一般的な流れ
実際の送金フローはサービスによって多少異なりますが、基本的な流れは共通しています。
ベトナム側で申込書の作成と書類提出を行い、内容確認後に送金処理が進み、日本側の銀行や取扱店で着金処理が行われます。
送金完了後は、控えとして受け取るレシートやトランザクション番号を保管し、着金確認まで照合できるようにしておきましょう。
オンラインサービスを利用する場合は、アカウントの取引履歴からいつでもステータスを確認できるようになっていることが多いです。
よくある手続き上のトラブル
海外送金では、ちょっとした入力ミスが思わぬトラブルにつながることがあります。
名義や口座番号の誤りにより送金が戻ってきたり、送金目的の説明が不十分で銀行から追加書類を求められたりするケースが代表的です。
トラブルを避けるために、事前に確認しておきたいポイントを整理します。
- 口座名義とローマ字表記を銀行の登録と完全に一致させる
- 送金目的を具体的に記入し、裏付けとなる書類を用意する
- 手数料負担区分(送金人負担か受取人負担か)を確認する
- 着金予定日を確認し、期限に余裕を持って手続きする
- 問い合わせ先の連絡先を控えておき、問題時にすぐ相談できるようにする
ベトナムから日本への送金に関わるルール
ここでは、ベトナム側と日本側の双方で意識しておきたい送金関連のルールや上限、申告の必要性について確認します。
ベトナムの外貨規制のポイント
ベトナムでは、個人が海外に送金できる目的や上限額が、中央銀行の通達にもとづいて管理されています。
留学費用や医療費、家族への生活費支援など正当な目的であれば送金は認められますが、その証明となる書類の提示が求められます。
一部のケースでは年間の上限額や、現地の平均所得水準を踏まえた上限が設定されているため、大きな金額を移す場合は事前確認が不可欠です。
ルールは改定される可能性があるため、最新の情報は利用する銀行や専門家に確認するようにしましょう。
現金持ち出しのルール
現金を持ち帰る場合は、ベトナム出入国時の持ち出し上限と申告義務を理解しておく必要があります。
一定額を超える外貨を持ち出す場合には、税関での申告と、金融機関が発行する証明書の提示が求められると定められています。
申告せずに上限を超えて持ち出すと、没収や罰則の対象となる可能性があり、正規の海外送金よりもリスクが高くなります。
日本入国時にも、高額の現金や有価証券を持ち込む場合は税関への申告が義務付けられているため、往復のルールをセットで理解しておきましょう。
| 確認したいポイント | 内容の例 |
|---|---|
| ベトナム出国時の申告ライン | 一定額以上の外貨は税関申告と証明書が必要 |
| 日本入国時の申告ライン | 高額の現金や有価証券は税関への申告が必要 |
| 違反リスク | 没収や罰金などの行政処分の可能性 |
日本側の税金やマイナンバーとの関係
日本で海外送金を受け取る場合、そのお金が給与なのか、仕送りなのか、贈与なのかによって税金の扱いが変わります。
一定額を超える送金や、継続的な送金が行われている場合は、税務署から資金の性質について問い合わせが来ることもあります。
銀行での本人確認の際にマイナンバーの提示を求められることがあり、取引内容と合わせて金融機関が記録を行います。
トラブルを避けるためには、送金の目的や出どころを説明できるように書類を保管し、日本側の税務ルールも把握しておくことが重要です。
マネーロンダリング対策と本人確認
国際送金はマネーロンダリングやテロ資金供与対策の対象となるため、各国の金融機関で厳格な本人確認が行われます。
ベトナム側と日本側のどちらでも、送金額が大きい場合や取引パターンが通常と異なる場合、追加の質問や書類提出を求められることがあります。
こうした確認は不正送金を防ぐためのルールであり、正当な取引であれば必要な情報を提供することで手続きは完了します。
事前に「なぜこの金額をどの目的で送るのか」を自分で整理しておくと、窓口での説明もスムーズになります。
- 本人確認書類や在留資格関連書類を常に最新状態にしておく
- 送金目的や資金の出どころを一言で説明できるようにしておく
- 不明点がある場合は事前に銀行へ相談する
- 不審な勧誘や代理送金の依頼には応じない
目的別のベトナムから日本への送金プラン
同じ「ベトナムから日本への送金」でも、生活費の仕送りか、学費か、将来のための貯蓄かによって最適な方法は変わります。
生活費や仕送りに向く方法
毎月あるいは数カ月に一度、日本にいる家族へ仕送りをする場合は、手数料とレートのバランスが重要です。
金額がそれほど大きくない場合でも、頻度が高いと総コストが積み上がるため、定期的な送金に強いサービスを選びたいところです。
生活費の送金に向きやすい手段を、特徴ごとに整理します。
| 選択肢 | 特徴の例 |
|---|---|
| 銀行送金 | 信頼性は高いが手数料とレート差が重くなりがち |
| 専門送金サービス | 定額手数料と比較的有利なレートで継続利用しやすい |
| Western Union | 現金受取もできるがレートや手数料を要比較 |
学費や医療費の支払いに向く方法
学費や医療費など、支払期限が明確で遅延できない支払いの場合は、着金スピードとトレースのしやすさが最優先になります。
多くの学校や医療機関は、銀行送金による支払いを前提に請求書を発行しているため、銀行や専門送金サービスを通じた正式な送金が基本となります。
支払い目的が明確な場合、必要書類さえ揃えればベトナム側の銀行もスムーズに対応してくれることが多いです。
目的別に考えたときのポイントを箇条書きで確認しておきましょう。
- 請求書に記載された名義・口座情報を正確に転記する
- 支払期限から逆算して着金までの余裕を確保する
- 銀行の送金明細を保管し、支払い証拠として利用できるようにする
- 追加料金の有無や返金ポリシーを事前に確認する
貯蓄や投資資金を日本へ移すときの考え方
長期間ベトナムで働いたあと、貯めた資金を日本へ戻す場合は、金額が大きくなる分だけレートと手数料の影響も大きくなります。
一度にすべてを送るのか、期間を分けて送るのか、ベトナム側の金利状況も含めて検討するのが現実的です。
送金計画の立て方によって、最終的に日本で手元に残る金額が変わってくるため、シミュレーションを行ってから動きたいところです。
代表的な選択肢と考え方を一覧にします。
| 選択肢 | 考え方の例 |
|---|---|
| 一括送金 | レートが良いタイミングを狙えば効率的だが、規制や税務への配慮が必要 |
| 分割送金 | 為替リスクを平準化できるが、手数料回数が増える |
| 一部を現地通貨で運用 | ベトナム側の金利や投資環境を活用しつつ、必要分だけ日本に移す |
ベトナムから日本への送金を安心して行うための要点
ベトナムから日本に送金する方法は複数ありますが、「どれが絶対に正解」というものはなく、目的や金額、時期によって最適解は変わります。
まずはベトナム側と日本側のルールや必要書類を押さえたうえで、銀行送金、専門送金サービス、現金持ち帰りなどの選択肢を比較することが大切です。
手数料だけでなく為替レートや着金スピード、紛失や遅延のリスクも含めて「総コスト」で考えることで、後悔の少ない送金プランが組めます。
大きな金額や頻繁な送金を予定している場合は、事前に銀行や専門家へ相談し、ルールに沿った形で安全に資金を移すことを意識しましょう。

