ベトナムのホラー映画を味わうならまず観たい作品7選|独自の恐怖表現と見どころを知ってもっと楽しむ!

文化

ベトナムのホラー映画に興味を持った人に向けて、まず押さえておきたい代表作と作品の背景をわかりやすく整理します。

日本や韓国とは少し違うベトナムならではの恐怖表現や文化的なモチーフを知ることで、作品の見え方はぐっと深まります。

ここでは代表的な7本を起点に、ベトナムのホラー映画の特徴や歴史、視聴方法や注意点まで一気にたどれるよう構成しました。

ベトナムのホラー映画を味わうならまず観たい作品7選

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最初のセクションでは、ベトナムのホラー映画を語るうえで外せない7本をピックアップし、それぞれの雰囲気や怖さのポイントを紹介します。

狗神の業(カルマ)

「狗神の業(カルマ)」は、犬肉を扱う家族に降りかかる呪いと暴力を描いた、近年のベトナムホラーを象徴する一本です。

家業として犬肉店を営む一族が、父親の死をきっかけに次々と不可解な死に巻き込まれていく物語は、社会問題と民間信仰が絡み合う重いムードを放ちます。

犬肉文化というセンシティブな題材を真っ向から扱うことで、単なるジャンプスケア以上に、観客の倫理観や価値観を揺さぶる点が特徴です。

映像も容赦なく、生々しい屠殺場面や血の描写が続くため、動物への暴力描写が苦手な人は覚悟して観る必要があります。

ベトナムで国産ホラーとして最高レベルの興行成績を記録したことからも、現地での注目度とジャンルの成熟がうかがえます。

タイトル 狗神の業(カルマ)
公開年 2023年
ジャンル・雰囲気 社会派ホラー
恐怖のタイプ 呪いと家族の崩壊
トピック 犬肉文化と因果
視聴のしやすさ 残酷描写が多く上級者向け

Chuyện Ma Gần Nhà(Vietnamese Horror Story/越驚)

「Chuyện Ma Gần Nhà」は、ベトナムに伝わる都市伝説や怪談をモチーフにしたオムニバス形式のホラー映画です。

バス停に現れる少女の霊や、悪魔と契約したマジシャン、死者の魂を探す霊能者といったエピソードが、それぞれ独立しつつも共通する不穏さでつながっています。

ベトナム人にとって馴染み深い街角や屋台、住宅街がそのまま恐怖の舞台になるため、日常と怪異の距離の近さが強く印象に残ります。

ジャンプスケアや血の描写も盛り込まれていますが、ストーリー性や人物のドラマにも力が入っており、ホラーに慣れていない人でも入りやすい構成です。

現地では興行的にも成功し、ベトナム産ホラーの新たな人気シリーズとして位置づけられつつあります。

タイトル Chuyện Ma Gần Nhà
公開年 2022年
ジャンル・雰囲気 オムニバス怪談
恐怖のタイプ 都市伝説と怨霊
トピック 日常に潜む怪異
視聴のしやすさ エピソード形式で初見向け

The Housemaid(Cô Hầu Gái)

「The Housemaid(Cô Hầu Gái)」は、フランス植民地時代のゴム農園を舞台にしたゴシック色の強いホラー映画です。

貧しい孤児の少女が屋敷のメイドとして働き始めると、かつてこの場所で命を落とした女性の怨霊が現れ始め、屋敷にまつわる秘められた過去が少しずつ明かされていきます。

階級差や植民地支配、禁じられた恋といった要素が絡み合い、単なる恐怖だけでなく歴史的背景を感じさせるドラマとしても見応えがあります。

霊の登場シーンや悪夢のようなビジュアルも印象的で、クラシカルなゴシックホラーが好きな人にぴったりの一本です。

ベトナム国内だけでなく海外でも公開され、リメイク企画が立ち上がるなど国際的な評価も獲得しています。

タイトル The Housemaid
公開年 2016年
ジャンル・雰囲気 ゴシックホラー
恐怖のタイプ 怨霊と屋敷の怪異
トピック 植民地時代と階級差
視聴のしやすさ 物語重視で中級者向け

House in the Alley(Ngôi Nhà Trong Hẻm)

「House in the Alley」は、出産後に心を病んでいく妻と、それを支える夫が謎の現象に追い詰められていく心理ホラーです。

路地裏の狭い一軒家という閉ざされた空間で、育児不安や夫婦のすれ違い、説明のつかない物音や影がじわじわと積み重なります。

霊がはっきり姿を見せる場面もありますが、どこまでが心の問題でどこからが超自然なのか判然としない不安感が全体を支配します。

家庭内の葛藤と心の傷を軸にしたホラーなので、激しいグロテスク描写よりも、息の詰まる心理的な怖さを味わいたい人に向いています。

ベトナム都市部の住宅事情や生活感がリアルに描かれている点も、作品の雰囲気を支える大きな魅力です。

タイトル House in the Alley
公開年 2012年
ジャンル・雰囲気 心理ゴーストホラー
恐怖のタイプ 家庭内の不安と怪異
トピック 産後うつと夫婦関係
視聴のしやすさ 血の描写が控えめで観やすい

Mười:The Legend of a Portrait

「Mười:The Legend of a Portrait」は、韓国とベトナムの合作として知られるホラー映画で、呪われた肖像画にまつわる伝説を題材にしています。

新作のテーマを探す韓国人作家が、旧友を頼ってベトナムを訪れ、女性ムオイの肖像画にまつわる百年の怨念に巻き込まれていきます。

作品自体は韓国ホラーのスタイルが色濃く出ていますが、ベトナムの村落や寺院、伝承が物語の背景として効果的に使われている点が特徴です。

ベトナムでは、長らく途絶えていた劇場用ホラー映画の再始動を象徴する作品と位置づけられることが多く、後続のホラー作品への道を開きました。

激しい恐怖演出はありつつも、クラシカルな怨霊ものとして楽しめるバランスの取れた一本です。

タイトル Mười:The Legend of a Portrait
公開年 2007年
ジャンル・雰囲気 怨霊系ホラー
恐怖のタイプ 呪いの肖像画
トピック 韓国とベトナムの合作
視聴のしやすさ アジアホラー好き向け

Kfc

「Kfc」は、ベトナムホラーの中でも特に過激で実験的な作品として知られているアンダーグラウンド映画です。

連続殺人犯や病的な人物たちの日常を断片的に切り取る構成で、ストーリーのわかりやすさよりも、暴力と不条理な世界観そのものを見せつけるスタイルがとられています。

人肉食や拷問を思わせる描写など、倫理的に強烈なシーンが多く、ベトナム国内では検閲上の問題から正式公開が難しかったと言われています。

ホラーというよりエクストリーム映画に近く、鑑賞にはかなりの耐性と覚悟が必要です。

「ベトナムのホラー映画にもここまで攻めた作品がある」という意味で、ジャンルの幅を感じたい上級者向けの一本です。

タイトル Kfc
公開年 2016年
ジャンル・雰囲気 エクストリームホラー
恐怖のタイプ スプラッターと不条理
トピック カルト的問題作
視聴のしやすさ トラウマ級で要注意

Bắc Kim Thang(Home Sweet Home)

「Bắc Kim Thang(Home Sweet Home)」は、ベトナムのわらべ歌をモチーフにした心理ホラーで、家族の中に潜む歪みと秘密を描きます。

病気療養から戻った少年が、突然姿を消した従姉妹の行方を追ううちに、家族の中で自分だけが知らされていなかった真実に直面していきます。

メコンデルタの田舎町という素朴な風景と、静かに蓄積される不安や違和感のコントラストが強い余韻を残します。

血みどろの恐怖というよりも、ラストに向けて明かされる真実の重さが心に刺さるタイプの作品です。

映画祭への出品や海外配信もあり、ベトナム心理ホラーの到達点の一つとして評価されています。

タイトル Bắc Kim Thang(Home Sweet Home)
公開年 2019年
ジャンル・雰囲気 心理ホラー
恐怖のタイプ 家族の秘密と違和感
トピック わらべ歌と因習
視聴のしやすさ ドラマ寄りで幅広い層向け

ベトナムのホラー映画に共通する恐怖の特徴

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ここからは、個々の作品に共通して見られるベトナムホラーならではの特徴や、怖さの源泉について整理します。

民間信仰の霊的な世界観

ベトナムのホラー映画では、祖先崇拝や供養、霊の存在が日常に近い形で描かれることが多くあります。

仏壇や位牌、線香といったビジュアルが頻繁に登場し、家族が亡くなった人を敬いながらも、その怒りや未練を恐れる姿が物語の核になります。

現地の民間信仰では、正しく供養されない魂が「さまよう存在」になって災いをもたらすという考え方が根強く残っています。

そのためホラー映画でも、怨霊を単なる怪物ではなく、弔いきれなかった感情の具現化として描く傾向が強いです。

こうした霊的な世界観を理解しながら観ると、キャラクターの行動や結末に込められた意味がより立体的に感じられます。

  • 祖先崇拝と供養
  • 弔われない魂への恐れ
  • 寺院や僧侶の存在感
  • 呪物や護符のモチーフ
  • 夢と現実が交わる感覚

家族が抱えるプレッシャー

ベトナムのホラー映画では、家族という単位が物語の中心に置かれることが非常に多いです。

長男として家業を継ぐ責任や、親の期待、親戚を含めた大家族のしがらみが、登場人物の選択を縛る要素として描かれます。

表向きは仲の良い家族でも、その裏には差別や秘密、犠牲を強いる構造が潜んでいることが少なくありません。

そうしたプレッシャーが極限まで高まったとき、呪いの発生源が明らかになったり、家族そのものが破滅に向かう展開に繋がります。

ホラーとしての怖さと同時に、「家族」というテーマの重さに心がざわつく作品が多いのが特徴です。

都市伝説の不気味さ

ベトナムのホラー作品には、街角の噂や学校の怪談といった都市伝説がベースになっているものも少なくありません。

バス停やアパートの廊下、屋台の裏路地といった誰もが通りかかる場所が、物語の舞台として頻繁に使われます。

これにより、観客は「自分のすぐ近くにも起こり得るかもしれない」という距離感で恐怖を体験することになります。

都市伝説のモチーフは作品ごとに異なりますが、根底には「軽率な行動や無責任な言動が思わぬ祟りを招く」という教訓的なニュアンスが込められることが多いです。

日本の学校の七不思議と同じ感覚で、ベトナム現地の噂話が脚色されているとイメージすると理解しやすくなります。

モチーフ バス停の女の霊
舞台 街中の何気ない場所
テーマ 噂と集団心理
メッセージ 軽率な行動への警鐘
印象 日常が一瞬で裏返る恐怖

映像演出のクセとリズム

ベトナムのホラー映画は、韓国やタイの作品と比べると、ジャンプスケアを重ねるテンポや音響の使い方に独自のリズムがあります。

長めの静寂と暗がりを引っ張ったあと、突然の物音やカメラワークで驚かせる手法が好まれる傾向にあります。

一方で、血のりや特殊メイクに頼りすぎず、カメラの引きや構図の不安定さで違和感をじわじわと積み上げる作品も増えています。

低予算時代の名残として、限られたセットを工夫して撮影する技術が磨かれてきたことも、独特の映像センスにつながっています。

こうしたリズムに慣れてくると、「次はどこで来るのか」という期待と緊張を楽しめるようになります。

ベトナムで話題になったホラー映画事情と興行成績

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このセクションでは、ベトナムにおけるホラー映画の歴史やヒット作の興行面から、ジャンルの歩みを俯瞰します。

ホラー映画復活の転換点

ベトナムでは長らく劇場用のホラー映画が少ない時期が続きましたが、2000年代半ば以降に少しずつ本数が増えていきました。

「Mười:The Legend of a Portrait」は、戦後初の本格的なホラー映画として注目され、ジャンル復活の象徴と評されることがあります。

その後、幽霊屋敷ものや都市伝説ものが次々と制作され、観客側も「ベトナム産ホラー」に対する興味を徐々に高めていきました。

初期作品は韓国や日本の影響が色濃いものも多かったものの、近年はベトナム固有の歴史や社会問題を取り込んだオリジナル性の高い作品が増えています。

こうした流れが、現在の多様なホラー作品群へとつながっています。

時期 2000年代半ば
象徴的作品 Mười
傾向 海外スタイルの導入
変化 ホラー本数の増加
現在 社会派や心理ホラーの拡大

興行成績で見える最新ヒット

近年のベトナムホラーは、低予算の単発企画から、しっかりと興行収入を狙う規模の作品へと成長してきました。

「狗神の業(カルマ)」が国産ホラーとして歴代トップクラスの興行収入を達成したことは、その象徴的な出来事と言えます。

都市伝説を題材にした「Chuyện Ma Gần Nhà」や、家族の秘密に迫る「Bắc Kim Thang」なども、口コミを通じて動員を伸ばした代表作です。

これらのヒットによって、ホラーは一時的なブームではなく、年間ラインナップに欠かせないジャンルとして定着しつつあります。

成功例が増えたことで、若手監督がホラーに挑戦しやすい環境が整ってきた点も見逃せません。

  • 国産ホラーの興行記録更新
  • 口コミ主導のロングラン
  • 都市伝説系作品の人気
  • 家族テーマ作品の台頭
  • 若手監督の参入増加

制作スタジオと専門チーム

ベトナムでは、ホラーを含む商業映画を支えるスタジオが多様化してきており、その中にはホラーを得意とするプロダクションもあります。

大手シネマチェーンの関連会社や、ホラーに特化した中規模スタジオが、定期的に新作を送り出すようになっています。

例えば、心理ホラー「Bắc Kim Thang」を手掛けた制作チームは、ホラーと社会派ドラマの融合を得意としており、映画祭でも評価を得ています。

また、オムニバス形式の「Chuyện Ma Gần Nhà」のように、シリーズ化を前提にしたプロジェクトも増えてきました。

こうしたスタジオやチームの存在が、ベトナムホラーの量と質の底上げに貢献しています。

スタジオ規模 大手チェーン系
得意分野 商業ホラーと娯楽作
中規模スタジオ 心理ホラーや社会派
制作スタイル シリーズ企画と単発企画
傾向 多様なジャンルの共存

海外映画祭と国際評価

ベトナムのホラー映画は、アジアを中心とした映画祭に出品される機会も増えており、国際的な評価も少しずつ高まっています。

「Bắc Kim Thang」は、アジア有数の映画祭への出品を果たし、心理ホラーとしての完成度が注目されました。

また「The Housemaid」は、英語圏での配信やリメイク企画を通じて、ベトナムホラーの名前を世界に広げる役割を担っています。

こうした動きは、ベトナム国内の観客にとっても自国映画への誇りにつながり、さらなる作品づくりのモチベーションとなっています。

海外の評価をきっかけに、今後は日本での配信や劇場公開が増える可能性も期待できます。

日本からベトナムのホラー映画を楽しむ方法

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ここでは、日本在住の視聴者がベトナムのホラー映画をどのようなルートで楽しめるのか、現実的な方法を整理します。

動画配信サービスで探すコツ

まず試したいのは、NetflixやAmazon Prime Video、U-NEXTなど主要な動画配信サービスで「Vietnam horror」や作品名をキーワードに検索する方法です。

特定の作品が常に配信されているとは限りませんが、アジア映画特集やホラー特集のタイミングで配信ラインナップに加わることがあります。

タイトルが英語表記になっている場合も多いので、原題と英題の両方をメモしておくと見つけやすくなります。

字幕については、日本語がない場合でも英語字幕がついていることがあるため、視聴言語の許容範囲を少し広げると選択肢が増えます。

作品ごとの配信状況は頻繁に変わるので、気になる作品はウォッチリスト登録やマイリストへの追加を活用しましょう。

  • 原題と英題をメモする
  • アジア映画特集を確認する
  • 英語字幕も選択肢に含める
  • ウォッチリストを活用する
  • 定期的に検索し直す

DVDやブルーレイでコレクションする

日本国内では、ベトナム映画専門というほどではないものの、アジア映画を扱うショップや通販サイトでベトナムホラーのDVDが販売されることがあります。

特に「越驚(Vietnamese Horror Story)」のようなタイトルは、台湾盤などの形で流通しており、オリジナル音声で楽しめるのが魅力です。

ただし、リージョンコードや字幕言語が日本仕様ではない場合も多いため、購入前に仕様をよく確認する必要があります。

パッケージのアートワークや現地盤ならではのデザインも含めて楽しみたい人には、物理メディアでのコレクションが向いています。

作品数は多くありませんが、気に入ったタイトルを手元に置いて何度も見返したい場合に最適な方法です。

入手先 アジア映画専門店や通販サイト
魅力 パッケージアートとコレクション性
注意点 リージョンコードや字幕の仕様
対象作品 台湾盤や海外盤中心
向いている人 繰り返し鑑賞したいファン

劇場公開やイベントを逃さない

近年は、特集上映や映画祭、ミニシアターの企画として、ベトナム映画が日本で紹介される機会も増えてきました。

ベトナムでヒットしたホラー作品が、数年遅れで日本公開されるケースもあり、話題作をスクリーンで体験できるチャンスがあります。

アジア映画を多く扱う配給会社や、アジア映画祭の公式サイト、ミニシアターのスケジュールを定期的にチェックすると情報を逃しにくくなります。

劇場公開は上映期間が短いことも多いので、気になる作品が発表されたら早めにスケジュールを押さえるのがおすすめです。

スクリーンで観ることで、暗闇や音響の迫力を最大限に味わえるのも大きなメリットです。

  • アジア映画祭の情報を確認
  • ミニシアターの公式サイトを定期的に閲覧
  • 公開決定ニュースに注目
  • 上映期間中に早めに足を運ぶ
  • パンフレットで作品背景も学ぶ

作品タイトルの探し方とメモのコツ

ベトナムホラーを追いかけるうえで意外と重要なのが、作品タイトルの表記揺れを把握しておくことです。

原題のベトナム語、英題、日本向けの邦題がそれぞれ異なっている場合も多く、一つの作品が複数の名前で紹介されるケースがあります。

例えば「Bắc Kim Thang」は「Home Sweet Home」という英題で紹介されることが多く、「Chuyện Ma Gần Nhà」は「Vietnamese Horror Story」や「越驚」と表記されることがあります。

気になった作品をメモするときは、原題と英題、可能であればカタカナ表記もセットで書き留めておくと、検索や通販サイトでの照合がスムーズです。

このひと手間で、情報を探すときのストレスが大きく減り、作品との出会いのチャンスも広がります。

原題 ベトナム語表記
英題 海外配信用タイトル
邦題 日本向けカタカナ表記
メモ項目 監督名や公開年
活用場面 配信検索や通販サイト

ベトナムのホラー映画をより楽しむための見方と注意点

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最後に、ベトナムホラーを観る際に知っておくと安心な注意点と、作品をより深く味わうための視点を紹介します。

表現の強さへの心構え

ベトナムのホラー映画には、犬肉文化や戦争の記憶、貧困といった重いテーマが直接的に描かれることがあります。

「狗神の業(カルマ)」のように、動物の屠殺や血の描写がリアルに表現される作品もあるため、人によっては強いストレスを感じる場合があります。

視聴前に作品のトーンやジャンルを軽く調べ、自分の許容範囲に合っているかを確認しておくと安心です。

グロテスクな表現が苦手な場合は、心理ホラー寄りの「Bắc Kim Thang」や「House in the Alley」から入ると負担が少なく楽しめます。

友人やパートナーと一緒に視聴して、怖さを共有しながら観るというスタイルもおすすめです。

宗教や信仰へのリスペクト

ベトナムのホラー映画は、寺院や僧侶、供養の儀式など宗教的なモチーフを頻繁に扱います。

映画の中では、呪いや霊を退けるための儀式がドラマチックに描かれることもありますが、これは信仰への敬意と恐れが入り混じった文化的な表現です。

視聴者としては、こうした表現を単なる奇抜さとして消費するのではなく、現地の人々にとって大切な価値観として受け止める姿勢も大切になります。

宗教儀礼が恐怖演出の一部として使われる作品では、その背景にある考え方や歴史を軽く調べてみると、作品への理解が一段と深まります。

異文化へのリスペクトを持ちながら鑑賞することで、ホラーでありながら学びの多い体験になります。

モチーフ 寺院や僧侶
役割 霊的バランスの象徴
表現 儀式や祈りのシーン
視点 文化的背景への理解
心構え 信仰への敬意を忘れない

文化背景を知ると怖さが変わる

ベトナムホラーの多くは、ベトナム戦争の影響や都市化の急速な進行、地方と都市の格差など、社会背景と結びついています。

戦争で失われた命や行方不明者の存在は、霊の物語や未練の象徴として作品に影を落とすことがあります。

また、農村から都市へ移住した若者が直面するプレッシャーや孤独は、怪異に付け入られる隙として描かれることもあります。

こうした背景を少し意識しながら観ると、単なる恐怖演出が「なぜこのかたちで表現されているのか」という問いに変わります。

怖さと同時に、ベトナム社会の一面を垣間見るドキュメント的な魅力も感じられるようになります。

  • 戦争の記憶と未練
  • 都市化と格差のストレス
  • 地方と都市の価値観の違い
  • 若者のプレッシャー
  • 社会問題と怪異の結びつき

ホラーが苦手な人へのおすすめ作品

ホラーに興味はあるけれど、あまりに怖い作品は避けたいという人には、心理ドラマ寄りのベトナムホラーがおすすめです。

「Bắc Kim Thang」は家族のドラマとサスペンス要素が強く、血の描写は控えめながら、ラストの真相でゾクッとさせるタイプの作品です。

「House in the Alley」は、家庭内の不安や産後の心の問題を描きつつ、ときおり現れる怪異がじわじわと恐怖を高めていきます。

ゴシックな雰囲気が好きな人には、「The Housemaid」で屋敷ホラーと愛憎劇がミックスされた世界観を楽しむのもよいでしょう。

まずはこれらの作品から入って、ベトナムホラーの空気感に慣れてから、より過激な作品へ広げていくと無理なく楽しめます。

観やすい作品 Bắc Kim Thang
雰囲気 心理サスペンス寄り
別候補 House in the Alley
ゴシック系 The Housemaid
避けたい作品 グロテスク主体のKfc

ベトナムのホラー映画から見えてくる文化と魅力の全体像

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ベトナムのホラー映画は、単に怖さを競うだけのジャンルではなく、民間信仰や家族観、社会の変化といった多くの要素を映し出す鏡のような存在です。

犬肉文化や都市伝説、わらべ歌など、一見すると遠い文化に思えるモチーフも、作品を通して触れることで徐々に親しみを感じられるようになります。

今回は代表的な7作品と歴史、視聴方法や注意点を紹介しましたが、実際にはまだまだ多くのベトナムホラー映画が生まれ続けています。

気になる作品をきっかけに、タイトルの由来や背景となった伝説、監督や俳優のインタビューなども追いかけていくと、作品世界はさらに広がります。

自分のペースに合った作品から一歩踏み出し、ベトナムのホラー映画が持つ独自の恐怖と奥深い文化の魅力をじっくり味わってみてください。