ベトナムの銀行の日本での支店の現状|海外送金や口座管理のポイントを押さえよう!

旅行準備

ベトナムの銀行に関心があり、日本にいながら口座開設や送金をしたいと考える人は増えています。

しかし「ベトナム銀行 日本支店」で検索しても、具体的な支店情報がほとんど見つからず不安になる人も多いでしょう。

この記事では、ベトナムの銀行が日本にどのような形で進出しているのか、日本からどこまで利用できるのかを整理しつつ、現実的なお金の動かし方を解説します。

ベトナムの銀行の日本での支店の現状

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まずは「ベトナムの銀行の日本支店」が実際にどの程度存在しているのか、現状を整理しておく必要があります。

そのうえで、日本に住みながらベトナム銀行をどう使えるか、使えない部分は何なのかを把握することで、無駄な手間や勘違いを減らせます。

ここでは、大手ベトナム銀行の海外展開、日本に支店がほとんど見当たらない理由、日本からの口座開設や利用範囲について順番に見ていきましょう。

大手ベトナム銀行の海外展開状況

ベトナムには国営系を中心に複数の大手銀行が存在し、代表的なものとしてVietcombank、BIDV、VietinBank、Agribankなどが挙げられます。

これらの銀行はベトナム国内だけでなく、シンガポールやラオス、カンボジア、アメリカなど海外にも支店や駐在員事務所を展開しています。

一方で、日本はベトナムとの経済関係が深いにもかかわらず、ベトナム銀行の拠点は限られ、駐在員事務所レベルにとどまる例が多いとされています。

そのため、日本における存在感は「現地企業や日系企業向けサポート」が中心で、個人が窓口で利用するイメージとは少し異なります。

日本国内に支店がない理由

ベトナムを代表する大手銀行は、現時点で日本に一般向けの支店をほとんど持っていないと紹介されるケースが多く、日本語の情報でも同様の説明がされています。

その背景には、日本の銀行規制が厳格であり、外国銀行が支店を設置するには高いコストと時間を要することがあります。

また、日本にはすでに三菱UFJ銀行やみずほ銀行、三井住友銀行などのメガバンクがベトナム側と資本提携や業務提携を行っており、ベトナム銀行としても直接日本で支店を構える優先度が高くない側面があります。

結果として、日本側では「ベトナムの銀行の日本支店」を探しても、一般個人が直接利用できる窓口は事実上見つからない、という状況になりがちです。

駐在員事務所の位置づけ

一部のベトナム銀行は、日本に支店ではなく駐在員事務所を置いているケースがあります。

駐在員事務所は、主に日本企業との関係構築や市場調査、ベトナムとの企業間取引のサポートなどを目的として設置される拠点です。

この形態は「銀行業務を行う店舗」とは異なり、現地通貨の預金を受け入れたり、個人向けローンやATMサービスを提供したりすることはできません。

そのため、仮にベトナム銀行の駐在員事務所が日本に存在していても、個人がふらっと訪れて口座開設や送金手続きを行える場所ではない点に注意が必要です。

日本からの口座開設のハードル

ベトナムで銀行口座を開設する場合、近年はマネーロンダリング対策の強化などにより、外国人に対する条件が厳しくなっています。

最新の日本語情報では、長期滞在許可や労働許可など、現地居住を前提にした条件が求められる銀行が増えていると紹介されています。

そのため、日本に住んだまま日本のどこかの支店でベトナム銀行の口座を開く、というやり方は現実的ではありません。

基本的にはベトナムに渡航し、必要書類を持参して現地の支店で手続きを行うことが前提になります。

日本から利用できるサービス範囲

日本に居住しながらベトナム銀行を利用する場面としては、オンラインバンキングやデビットカード、クレジットカードの利用が中心になります。

ベトナムの銀行は国際ブランド付きカードを発行していることが多く、JCBやVisaなどのマークが付いたカードであれば、日本国内の加盟店やATMでも利用可能です。

実際に、VietcombankとJCBが協業し、日本でのショッピングや旅行でキャッシュバックが受けられるキャンペーンが行われた例もあります。

このように、物理的な支店はなくても、国際ブランドカードやオンラインサービスを通じて日本から利用できる範囲は少しずつ広がっています。

日本に住む人の現実的な使い方

日本に住む人がベトナム銀行を利用する現実的なパターンとしては、「ベトナムに口座を持ったうえで、日本からお金を送る」形が中心です。

例えば、ベトナム移住や不動産投資、現地での就労を予定している場合、先にある程度の資金を送金しておき、現地口座で管理するという使い方が考えられます。

一方、日本での生活費や日常の支払いは日本の銀行口座で行い、ベトナム銀行は「ベトナム側の資産・支払い専用」と割り切ると管理がしやすくなります。

「日本にベトナム銀行の支店があるから全部そこで完結できる」という発想ではなく、日越それぞれの口座の役割を分けて考えることが重要です。

日本居住者の利用目的

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日本に住みながらベトナム銀行の情報を調べる人には、いくつか共通した目的があります。

代表的なのは、将来の移住やロングステイ、不動産や預金金利を目当てにした資産運用、あるいはベトナムで働く際の給与受け取りなどです。

ここでは、日本居住者がどのような目的でベトナム銀行に興味を持つのかを整理し、それぞれのケースで何に注意すべきかを見ていきます。

将来の移住準備

ベトナム移住やロングステイを考える人にとって、現地銀行口座は家賃や光熱費、生活費の支払いに欠かせないインフラになります。

日本にいる段階で情報を集めておけば、実際に移住した後の口座開設や銀行選びのストレスを軽減できます。

ただし、先ほど触れたように現地での長期滞在許可などが求められることもあるため、「日本支店で事前に全部済ませる」という発想は現実とズレている場合が多いです。

移住準備としては、日本側で必要な送金ルートを整えておくことの方が、実務上は重要になります。

資産運用ニーズ

ベトナムは比較的高い預金金利や経済成長を背景に、「海外分散投資の一環としてベトナム銀行を活用したい」というニーズもあります。

その一方で、カントリーリスクや為替変動リスクが日本より大きい点を理解し、短期的な利率だけで判断しない姿勢が重要です。

  • 高金利預金への関心
  • ベトナム不動産購入の資金管理
  • 現地投資案件の決済口座ニーズ
  • 将来のベトナム移住を見据えた資産移転

このような目的を整理したうえで、「どこまでをベトナム口座に置き、どこまでを日本口座で持つか」というバランスを考える必要があります。

給与受け取りパターン

現地採用や駐在員としてベトナムで働く場合、給与の受け取り方によって日本とベトナムの口座の役割が変わります。

ベトナム側の給与口座から日本の生活費用口座へ、どのルートでどの頻度で送金するかを事前に設計しておくと、為替手数料や送金手数料の負担を抑えやすくなります。

代表的なパターンを簡単に整理すると、次のようになります。

働き方 現地採用でベトナム通貨で給与を受け取る
主な受け取り口座 ベトナム銀行の普通預金口座
日本側の利用 必要なタイミングで日本の銀行口座へ海外送金
想定シーン 日本の家族への仕送り、日本のローン返済、日本帰国後の資金逆送金

日本からベトナムへの送金方法

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「ベトナム銀行 日本支店」が事実上見当たらない現状では、日本からベトナムへの送金ルートをどう設計するかが実務の中心になります。

送金方法によって、手数料や着金スピード、為替レートが大きく変わるため、仕組みを理解しておくことが大切です。

ここでは、日本の銀行からの国際送金、オンライン送金サービス、ベトナム側での受け取り手順について、個人が押さえておきたいポイントを紹介します。

日本の銀行経由の国際送金

日本の銀行からベトナムの銀行へ直接国際送金する方法は、昔からある基本的なルートです。

送金依頼書に受取人名義やベトナム側の銀行名、支店名、SWIFTコードなどを記入して依頼し、数営業日ほどで着金するのが一般的な流れです。

手間は少ないものの、為替レートに上乗せされるマージンや、送金手数料・受取手数料が比較的高めになりやすい点には注意が必要です。

送金ルート 日本の銀行からベトナム銀行へのSWIFT送金
メリット 取引銀行で完結しやすく安心感が高い
デメリット レートの上乗せや手数料が高くなりがち
向いているケース 頻度は低いが一度にまとまった金額を送りたい場合

オンライン送金サービス活用

近年は、Wiseのようなオンライン送金サービスを利用して、日本からベトナム銀行口座へ送金する人も増えています。

一般的に、実勢為替レートに近いレートと比較的低めの手数料が特徴で、総コストを抑えやすい点が魅力です。

ただし、対応通貨や受け取り方法、1回あたりの送金上限などの条件はサービスによって異なるため、事前に仕様を確認しておく必要があります。

  • 実勢レートに近い為替レート
  • 手数料の内訳が見えやすい料金体系
  • 日本側は銀行振込やカード払いでチャージ
  • ベトナム側は現地銀行口座への入金が中心

ベトナム側での受け取り手順

ベトナム側の銀行で海外送金を受け取る際は、送金元や送金目的によって、銀行から追加書類の提示を求められる場合があります。

特に高額送金や頻繁な送金の場合は、マネーロンダリング対策として、送金の理由や資金の出所について確認されることがあります。

受け取り時にトラブルにならないよう、送金人と受取人の名義や住所情報を一致させ、日本側の銀行に登録している情報とズレがないか事前に確認しておくと安心です。

また、ベトナム側の銀行によっては、ドル建て口座や現地通貨口座への入金方法が異なるため、送金前に取引銀行へ相談しておくとスムーズです。

ベトナム銀行利用の注意点

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ベトナム銀行は日本にはない金利水準やサービスを提供している一方で、リスクやルールも日本と大きく異なります。

日本の感覚でそのまま扱うと、「思っていたのと違う」というギャップが生じやすく、特に長期で資産を置く場合は慎重な検討が必要です。

ここでは、為替リスクや口座維持ルール、税務申告など、日本居住者が押さえておきたい注意点を整理します。

為替変動リスク

ベトナムドンと日本円の為替レートは、長期的に見れば大きく変動する可能性があり、日本円ベースでの資産価値が増減するリスクを常に抱えています。

短期的な金利差だけを見てベトナム通貨建てで大きな金額を保有すると、為替が逆方向に動いた場合に金利分以上の損失が出ることもあり得ます。

そのため、ベトナム口座は全体資産の一部として位置づけ、為替変動を前提に「どの程度の割合ならリスク許容範囲か」を事前に決めておくことが重要です。

また、送金タイミングをまとめるなどして、為替コストや手数料が積み上がりすぎないよう工夫することもポイントです。

口座維持ルール

ベトナムの銀行では、口座維持手数料や一定期間取引がない口座の休眠化に関するルールが、日本よりも細かく定められているケースがあります。

最新の日本語情報でも、特定の銀行で月額の口座維持手数料が発生することが紹介されており、小さな額でも長期的には無視できないコストになります。

  • 月額の口座維持手数料の有無と金額
  • 一定期間入出金がない場合の扱い
  • 残高が少ない場合の手数料ルール
  • 休眠口座からの復活手続きの必要性

日本に戻ったあと、ベトナム口座を放置してしまうと、ルール変更や休眠化によって思わぬトラブルになる可能性があるため、定期的な確認が欠かせません。

税務申告への影響

日本に居住している人は、原則として世界中の所得が日本の課税対象になるため、ベトナム銀行の利息や運用益も税務上の確認が必要になります。

特に、日本に住みながらベトナムの銀行で定期預金や投資商品を利用している場合、利息や売却益がどのように扱われるかを税理士など専門家と相談しておくと安心です。

簡単な整理として、どのようなケースで日本の確定申告を検討すべきかを表にまとめると次のようになります。

ケース ベトナム銀行の利息が一定額を超える
日本側の対応 他の所得と合算して確定申告の要否を検討
注意点 源泉徴収の有無や日越の租税条約の扱いを確認
専門家相談の目安 複数の国で口座や投資商品を保有している場合

ベトナム銀行活用の総括

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現状、ベトナムを代表する大手銀行は日本に一般個人向けの支店をほとんど持っておらず、「日本でベトナム銀行の窓口に行って口座を開く」というイメージは実態と異なります。

日本に住む人がベトナム銀行を活用する場合は、ベトナムで開設した現地口座と日本の銀行口座、それにオンライン送金サービスなどを組み合わせて、お金の流れを設計するのが現実的なアプローチです。

その際には、為替変動や口座維持ルール、税務上の取り扱いなど、日本とは異なる前提条件を理解したうえで、「どこまでベトナムに資産を置くか」「どの送金ルートを使うか」を決めていくことが重要になります。

「ベトナム銀行 日本支店」を探して行き詰まるよりも、ベトナムと日本それぞれの金融インフラの役割を整理し、自分の目的に合った形でベトナム銀行を位置づけることが、賢い付き合い方だと言えるでしょう。